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KOHZI ISHIYAMA BLOG [ ABILIT ]



小磯記念美術館

昨日は神戸の六甲アイランドという所にある小磯記念美術館へ。展示されていたのは小磯良平さんと中西勝さんという2人の画家が描いた作品。

まずは小磯良平さんの作品を見て。「静と動」に置き換えるなら「静」を感じれる作品で。戦争を経験して、空襲で家やアトリエを失くし、終戦後も生活を立て直そうとする中で描かれた絵。子供や労働者達、その表情は戦争とはリンクしない穏やかな表情に思えたかな。過酷な状況の中で完成した「ぬくもり」ある作品には、絶えない希望が伺えたり。どれもすごく落ち着きのある作品で、見る側に対して静かに語りかけるような「優しさ」を自分なりに感じて。恐らく人によっての好みが分かれにくい、多くの人が安心して見れる作品が多かったかなと。

そして中西勝さんの作品。中西さんは現在も画家として活動してて、戦争では中国大陸での軍隊生活を経験する中で悲惨な光景を見てきた人で。そういう経験が作品にもすごく影響してるように感じたんだけど、大半が色使いを含めてダークな作品が多くて。表情のない人間、機械のように描かれた人間、無数の冷たさを感じる目、そこからは「人の世の闇」を感じて。小磯さんの作品とは対照的に見る側の心を鷲掴みにするような作品が多かったかな。ただ終戦後、結婚して4年半に及ぶ自家用車での世界一周旅行に出ていったりする中で少しづつ変化が現れて、生命や自然の尊さを感じれる作品が出てきたり。そういう心の移り変わりも絵を通して感じることができて。

昨日行って一番良かったのは2人の画家の作品を同時に見れたこと。それぞれの「色」があるからこそ、それぞれの魅力が尚更感じれる、有意義な時間を過ごせたんじゃないかなと。

小磯記念美術館_d0117028_72829.jpg


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by kohzi-ishiyama | 2009-02-15 07:45
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